あぴすの雑記帳

某理系大学に通う自堕落大学生が日頃思っていることをあれこれ垂れ流すだけのほぼ自分用ブログです。

本を読んだよ:「スロウハイツの神様」

後輩に薦められた本で、文庫本で上下2巻で構成される小説です。 いやぁ久々に小説を読みました。 普段技術書とかノンフィクションとかばっかり読んでいるので、新鮮でとても良かったですね。

ストーリー

簡単に言ってしまえば、物語でも触れられているように「現代版トキワ荘」で、クリエイターの人々が集まるアパートで日々の生活を送りながら、仕事に恋にと様々なドラマが生まれていく…という感じでしょうか?

手塚治虫ポジションが超売れっ子小説家、藤子不二雄ポジションは今売り出し中の脚本家、その他は売れない漫画家、学生の画家、映画監督志望の青年など、そんな人々が付き合ったり別れたりしたりしなかったりする物語です。

正直、現代を生きるオタクとしては「トキワ荘」よりも「河合荘」の方がピンと来ます。ただ、河合荘だとクリエイター集団ではないので例えとしてはイマイチですね。

加速度的に止まらなくなる

物語の形式としては多人数の視点で同じ時系列の物語を眺めるような形式になっています。最初は名前を覚えるのが大変でしたが、人物の名前を覚える頃には読むのが止まらなくなるような作品でした。 おすすめされた際に「後半から止まらなくなる」と言われてはいたのですが、まさにその通りでした。

まるで坂道を転がるかのように物語の世界に転落していきます。 目まぐるしく視点が変わり、様々な変化を目の当たりにして、最後には全ての伏線が回収されていくような爽快感が残ります。

西尾維新先生

現代版トキワ荘と作中で言われているだけあり、「スロウハイツの神様」はクリエイターに焦点を当てている内容です。 私も絵師の端くれとしては、こんな熱量でプロは書いているのか、ととても驚くとともに、共感を覚える部分もあり、とても楽しみながら読めました。

そんなこの作品を見ていると「少女不十分」を思い出しました。 「化物語」のファンである自分は西尾先生の作品を買い漁っていた時期があり、その時期に購入した本ですが、この本についてもクリエイターがなぜ創作を続けるのか?などの根本的なテーマについてかかれているのです。

そんなことをしみじみと思っていたら、後書きに何と西尾維新先生が登場して驚きましたw 少女不十分はスロウハイツの影響で書かれた作品なのでしょうか?

親近感

これは物語の内容とは関係のないことなのですが、この本にはとても親近感が湧きました。 この物語は椎名町付近を舞台としていますが、実は私にとって椎名町は数ヶ月に一度はいくような馴染み深い場所なのです。 商店街やちょっとした描写などで、あぁあそこのことかな?と想像が膨らんでとても楽しかったです。

評価

4! 文句なしで面白かったです

1...悪い 2...普通 3...良い 4...最高